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出雲市浜町で在宅診療所を開業されている、豆の木在宅診療所の美川院長にお話をお伺いしました。
勤務医時代に、「どうしても家に帰りたい」と設備の整った病院ではなく「在宅ケア」を選択された患者さんに出会った経験から、「在宅医療」の重要性を感じ、「豆の木在宅診療所」を2016年に開業。多職種間の情報共有にまめネットをご活用いただき、出雲市内を中心に訪問診療を展開していらっしゃいます。

在宅医療における「情報共有」をスムーズに。
患者さんに携わる「みんな」が、つながりやすいところがいいですね。

美川院長:在宅医療で、患者さんに安心して暮らしていただくためには、患者さんに携わる者同士の「情報共有」は、とても重要な要素です。日々の具合や顔色といったちょっとした様子から、褥瘡の状況や薬など、患者さんの日々の細かな変化をお互いに共有し、患者さんに携わることが必要です。しかし、ケアマネさんや看護師さん、介護士さんなど、患者さんに携わる人が多い上、それぞれが顔を揃える機会が少ないこともあり、どうしてもこれらの作業が大変。この課題を解消してくれるのがまめネットでした。
患者さんの情報を共有することが大変だからといって、これまで情報共有がなされていなかったかというと、そうではありません。これまでも、患者さんの自宅に置く「連絡ノート」を使ってお互いが処置した内容や、患者さんの様子、状況を記し、共有するということはしてきています。もちろん必要があれば電話やFAXを使ったり、時には写真をプリントして持ち寄って相談するケースもあります。ただ、それぞれが違う現場に立っているということもあり、スムーズにいかないこともしばしばあるのです。

それに、患者さんの自宅にある「連絡ノート」は、そのお宅にいかなければ見れない。行って初めて、「風邪気味だと聞いていたけどこんなひどい状況に」、というようなことが起きかねません。こういったケースも、患者さんに携わるみんなが、まめネットを使い情報上げておけば、いつでも、どこでも、まめネット専用のタブレット端末さえあれば、情報を確認し、事前に準備することができる。
例えば、「呼吸困難が多少ありました」といったような介護士さんからの情報があれば、「訪問を急いだ方が良い」といった即時の判断、対処にもつながりますしね。「連絡ノート」の代わり、そういう役目ですかね。

また、「情報を共有し、活用する」という意味では、画像のやり取りをよくしますね。例えば、褥瘡などの皮膚トラブルでは、「皮膚がちょっと擦り剝けています」といった文字だけの記載では、どの程度かということは非常にわかりづらかった。もちろん必要があれば写真を撮って印刷して持って来ていただくというようなことがこれまでもありました。ただ、タブレット端末一つで、「状況の写真を撮る」→「写真を送る/共有する」→「写真を診て判断する」といった一連の流れが簡単で、かつ情報を正確に伝えることができ、スピーディーに対応ができる。セキュリティも、まめネット専用の回線でセキュリティも高く、出先でも安心して使えます。とても使いやすく、重宝しています。連絡ノートではできないことですね。もちろん緊急性があることなどについては、電話でのやりとりも併用して行います。

私の診療所は常時40名前後の患者さんがいらっしゃいますが、大半の患者さんに「まめネット」に同意していただき、まめネットを使って「在宅医療」を支援させていただいています。
まめネットを使い、「今日は大変表情よく過ごされました。」といった些細なこともケアマネさん、看護師さん、介護士さん、みんなで情報を発信、共有をして、患者さんに安心して暮らしていただけるよう、みんなでサポートさせていただいています。

「在宅医療」での、不安を取り除いてあげるためにも、
病診連携、医療介護連携による情報共有は不可欠です。

私は、介護との連携については上記の「在宅ケア共有サービス」で、病院との連携については「連携カルテ」で、といった使い分けをしています。
患者さんが病院を退院して自宅に帰られるにあたって、日常生活での不安を抱えられることもあり、定期的な訪問診療を希望されることが多くあります。こうした場合には、病院での退院カンファレンス時や初めての診療時にまめネットを紹介し、同意をいただくようにしています。病院によっては、既にまめネットの同意を得ていらっしゃる所もあるので、加えて当院の同意をいただくという感じですね。

まめネットの同意をいただいている患者さんであれば、退院してこられる際これまで、どういった治療・処置が行われてきたのか、どんな説明が行われているのかなど、これまでの経過を含め、患者さんのことをわかり、事前に計画を立てることができるのはとても良いですね。

「在宅医療」から病院に再度入院されるケース、定期受診や定期検査などが必要な患者さんも多くいらしゃいます。こうした患者さんの様子を離れていても見守ることができるのも、まめネットの利点だと考えています。
例えば、明日定期受診という患者さんがいらっしゃれば、前日には私が最近の患者さんの様子がわかるように紹介状(※)で情報提供し、まめネットで先の病院の先生に見ていただくようにする。帰りには、病院での診察や検査の情報を上げてもらう。という具合に。患者さんの様子を双方向でやりとりし、両方で共有するようにしています。「在宅医療」においては、時には看護師さんもこれらに加わりますね。
(※)まめネットでは、HPKIを利用して紹介状の作成ができます。

「在宅医療」の場合、患者さんが病院や診療所、ショートステイをはじめとした介護事業所など、色々な施設をまたがるケースが増えており、患者さんの情報が寸断されがちです。急な変化が起きた時などは命取りにもなりかねない。
ですから、患者さんの情報を一つにまとめ、携わるみんなで常に見守ってあげないといけない。そういう思いでいると、まめネットは本当に便利だな、と思います。

豆の木在宅診療所 Data

〒693-0054
島根県出雲市浜町536-3
TEL 0853-24-7336

<診療科目>
内科・呼吸器科